インフラ用語集へ戻る

ネットワーク / L3ネットワーク

OSPFとは

Open Shortest Path First。ネットワーク内部で経路情報を自動交換する代表的なルーティングプロトコルです。

用語集内のカードを見る

詳細な図解

内部ネットワークで経路を自動収束する流れ
ルーター隣接関係を作る
Neighborリンク状態を交換
LSA/Areaarea内でトポロジを共有
経路表costで最短経路を計算
  • area境界と再配布を確認
  • neighbor downの原因を分ける
  • 収束時の一時影響を見る

この記事で学べること

OSPFを、定義だけで終わらせず、現場で出てくる場面、確認材料、見落としやすい点、関連語とのつながりまで順に確認できます。

  1. OSPFを読むときの前提
  2. neighborとareaの確認
  3. LSDB、cost、経路表を見る
  4. 再配布と集約の注意点
  5. 変更作業で残す証跡

実務メモ

neighbor、area、LSDB、costを分けて経路を読む

どこで効くか

OSPFは拠点網、データセンター、社内LANの内部ルーティングで使われます。障害時は経路表だけでなく、neighborが確立しているか、同じareaにいるか、LSDBが一致しているか、costや経路再配布で意図しない優先経路になっていないかを順に確認します。

残す証跡

証跡にはrouter ID、area、neighbor状態、インターフェース、Hello/Dead interval、認証方式、cost、LSDB、経路表、再配布元、変更前後のconfig差分、収束時刻を残します。経路が出ない場合は、隣接関係と経路生成を同じログで追えるようにします。

避けたい誤解

pingが通るだけでOSPFが正常とは判断できません。area不一致、MTU不一致、passive-interface、認証不一致、経路再配布のフィルタ、cost設計の差で、一部経路だけ遠回りしたり欠落したりします。

まず確認すること

  • neighbor状態とareaを最初に確認する
  • LSDBと経路表を同じ時刻で保存する
  • costと経路再配布の変更差分を確認する

OSPFを読むときの前提

OSPF(Open Shortest Path First)は、同じ組織や拠点網の内部で経路情報を自動交換するリンクステート型のルーティングプロトコルです。BGPのように組織間の経路制御を担うものではなく、社内LAN、データセンター、WAN内のL3経路を安定して共有するために使われます。

OSPFでは、各ルーターが隣接関係を作り、LSAを交換し、LSDBをそろえたうえで最短経路を計算します。そのため、経路表だけを見るより、neighbor、area、LSDB、cost、経路再配布を分けて確認すると原因に近づきやすくなります。

設計資料では、area境界、ABR/ASBR、router ID、passive-interface、認証、Hello/Dead interval、再配布方針を明記します。ここが曖昧だと、障害時に「経路がない」のか「経路はあるが優先度が違う」のかを説明しにくくなります。

neighborとareaの確認

OSPF障害の初動では、まずneighborが期待した相手とFullになっているかを確認します。Down、Init、2-Way、ExStart、Exchangeで止まっている場合は、物理疎通、L2/VLAN、IPアドレス、area、認証、MTU、Hello/Dead intervalのどこかに前提差がある可能性があります。

同じリンク上でもarea IDが違う、片側だけpassive-interfaceになっている、認証キーが違う、ネットワークタイプが想定と違う、といった設定差で隣接関係は崩れます。拠点追加やL3スイッチ更改では、既存機器の標準値と新機器の標準値が違うこともあります。

  • neighborの相手、状態、interface、areaを保存する。
  • Hello/Dead interval、MTU、認証、network typeを対向で比較する。
  • passive-interfaceやACLでOSPFパケットを止めていないか確認する。

LSDB、cost、経路表を見る

neighborが正常でも、期待した経路が経路表に出るとは限りません。LSDBにLSAが入っているか、どのareaから来た経路か、costが想定どおりか、summaryやfilterで隠されていないかを確認します。

一部の通信だけ遠回りする場合は、帯域やIF速度の変更、手動cost、ルート集約、経路再配布のmetric typeが影響していることがあります。経路表のnext-hopだけで判断せず、なぜその経路が選ばれたのかをcostとLSDBから追います。

  • LSDBと経路表を同じ時刻で保存する。
  • cost、metric type、summary、filterの有無を確認する。
  • 変更前後でnext-hopと経路種別を比較する。

再配布と集約の注意点

OSPFへ静的ルート、BGP、Connected、別プロセスの経路を再配布すると、便利な一方で障害範囲も広がります。意図しないdefault routeや広い集約経路を入れると、拠点間通信が片側へ寄ったり、戻り経路が変わったりします。

ASBRでの再配布では、許可するprefix、tag、metric、metric type、ルートマップやprefix-listの条件を証跡として残します。冗長構成では、片系停止時にどの経路が残るか、復旧時に元へ戻るかも事前に確認します。

  • 再配布元、条件、metric、tagを明記する。
  • default routeの広告範囲と停止時の挙動を確認する。
  • 集約で隠れる個別経路と戻り経路を確認する。

変更作業で残す証跡

OSPF変更では、投入前後のneighbor一覧、LSDB、経路表、config差分、収束時刻、影響通信の確認結果を残します。作業直後だけでなく、再収束後に意図した経路へ戻っているかを確認すると、片系復旧時の事故を減らせます。

引き継ぎでは、OSPFのarea設計、経路再配布の理由、手動costの理由、除外したprefix、次に確認する関連語を残します。関連語としてはルーティング、ルートテーブル、Next-hop、BGP、VRRPを並べると、経路制御と冗長化の関係を説明しやすくなります。

  • 投入前後のshowコマンドを同じ順番で保存する。
  • 収束時間と利用者影響の有無を作業記録へ残す。
  • 手動costや再配布には理由と見直し条件を付ける。

関連語

同じ主要カテゴリの用語

ネットワークの学習順

同じ主要カテゴリの用語をまとめて確認できます。現在の用語を起点に、前後の用語へ進むと文脈を保ったまま読み進められます。

InfraEngKit内の関連機能